長谷川等伯展

平日なのに70分待ち


先週の平日、京都国立博物館で開催されている「長谷川等伯展」へ家族で行ってきました。
並ぶのは嫌なので、なるべくすいてそうな水曜日の3時を狙ったのですが、着いてみると「70分待ち」
70分なら許容範囲かと思っていると、我が家族は並ぶのが嫌らしく「それならお茶を飲みに行こう」と博物館を離れました。

行ったのは甘春堂。絵も見てないのうちから抹茶でまったり。隣では、大混雑の展覧会を終えたお客さんがゆっくりしてました。


お店を出て、「昨日は、4時半ころに行列がなくなった」と警備の人に聞いたので、近くを観光することに。
秀吉ゆかりの方広寺が近いので、神社を参って、かの有名な豊臣氏討伐の口実となった鐘を参拝しました。


100円払うと、鐘の下に入れてくれて、説明してくれます。82トンもある鐘の下に入るのはちょっと怖い。そして鐘の内部を眺めながら「あのシミが女性に見えるでしょ。淀君の呪いと言われています」などと説明してくれるので、なお薄気味悪いです。


修学旅行生もやってきて熱心に説明を受けていました。私たちと同じく「長谷川等伯展」がすくのを待っている人もいて「さっきは120分待ちでしたよ〜」なんて会話も飛び交っていました。この時期、方広寺は「長谷川等伯」効果を大いに受けていそうです。



4時過ぎに、博物館へ行くと「40分待ち」に・・・。仕方なく並びました。この日は天気も良かったせいか、4時半過ぎでも行列は消えず。並んでいる人の話によると、朝一番に来ても、平日に来ても並ぶそうです。国宝・重要文化財がゴロゴロしている展覧会だから仕方ないですね・・。


30分ほど並んで中に入れましたが、作品の前は何重の列ができています。みんなで一緒に回ることは不可能です。我が家族はみんなバラバラに単独行動に走りました。
長谷川等伯の絵は、金碧画であっても、狩野派と違いギラギラしておらず、やさしい感じがします。国宝の「楓図壁貼付」もパンフレットで見るよりもずいぶん金箔がとれた落ち着いた感じの絵でした。国宝・重文でなくても、どの絵も大作ぞろいで良い印象の絵ばかりでした。
やはり圧巻は最後のほうに飾られている国宝の「松林図屏風」です。”余白美の極み”とは良く言ったもので、この作品の前をこれほどの人が取り巻いているのに凛とした静かな情景を醸し出しているのです。絵心のない私ですら、その筆致に見惚れます。他の作品よりも引き込まれる感じがしました。

「さすが国宝〜。素晴らしいなあ」と思いながら、再度Uターンして、気に入った作品を眺めなおしていると父親に遭遇。父親は開口一番「松林図屏風見たか?大したことないな〜。あの猿の方がよっぽどいい」と驚き発言をしていました。
「えっ。猿?確かにカワイイけど・・・。重文だし・・・。(絵ハガキ売場では確かに人気でした)」
「松林図屏風」は私にはあれほど心に染みいるものがあったのに、親子でも感じ方は違うものです。


(松林図屏風)                         (問題の猿の一部)


最後の方で家族全員合流。みんなで「あれが良かったよ〜」と言い合い「じゃあ見てくるわ」と博物館内を順路関係なくウロウロしていました。閉館15分前はさすがに人も少なくなり、最初のほうはゆっくり鑑賞できるようになりましたが「松林図屏風」の前はいつまでも人だかりでした。

一流の絵を見て心も満たされ、夜はその勢いでフレンチを食べて帰ってきました。「長谷川等伯展」は、5月9日までです。ぜひ皆さん行ってみてください。(並ぶので日傘をお忘れなく〜)