加藤登紀子さんについて

ほろ酔いコンサート



 先日、加藤登紀子さんの”ほろ酔いコンサート”にご招待いただきました。
このコンサートはもう26年も続いています。
 会場は祇園甲部の歌舞練場。和装姿の方もちらほらと・・。驚くほどの幅広い年齢層。ちょうど歌舞伎やお能ではこんな客層になるのかな。
ロビー内で月桂冠の振舞い酒をいただき(好きなだけ呑めます)、真ん中のとっても良い席に座ることができました。


 加藤登紀子さんについて知っていることは、学生運動、獄中結婚、百万本のバラ・・・。時々、テレビの対談番組を見たりして、波乱万丈の人生を送ってきた人だという印象が強かったです。


 加藤登紀子さんは、エレキギターで登場!バックバンドもギター、ベース、キーボード、ピアノ、ヴァイオリンと豪華。バンドが各自さまざまな楽器を持ち替えて、演奏してくれて楽しかったです。コンサートはニ部制。一部はオリジナル曲をメインに、二部はシャンソンがメインでした。知ってる曲は”百万本のバラ””琵琶湖就航の唄””イマジン””愛の賛歌””ラヴィアンローズ”など。”千の風”も唄ってくれました。


 歌ももちろん上手ですが、ステージからは、歌というか、演劇?朗読?を聞いたくらいに、加藤登紀子さんのパワーを感じました。
 観客に語りかけるような、自然なMCもいいですね。客席は「ね〜。今年のお登紀さんはどんな一年だったの〜?」と話を聞きに来たような暖かいムードに溢れてました。
 一升瓶をステージに、大きな器で日本酒をぐいぐい飲みながら歌う事に驚きましたが、昔過ごした懐かしい京都ということから感情が高ぶるのか、涙を見せることにも驚きました。でも、すべて加藤登紀子さんらしくて良かったです。
 みんな加藤登紀子さんから「楽しく生きようね♪」とパワーをもらっている感じでした。私も”時代の寵児”を見れたことに大満足しながら、この人が放つパワーって何だろう?と考えていました。


 あまりに加藤登紀子さんのことを知らなかったので、早速、加藤登紀子さんの著書『青い月のバラード』を読みました。獄中結婚からご主人を亡くすまでのお話です。

 「あの人は土、私は風」そう思っていた。土に根ざす農民でありたいと願った彼。どこまでも空翔る自由民でありたいと願った私


 プロローグの一文が、コンサートで受けた加藤登紀子さんの印象を表わしていました。この本を読んで加藤登紀子さんの生き方をすごいと思いました。(文章もそうとう上手ですね♪)
 加藤登紀子さんは、大空を舞うことを願い続ける自由人です。「自分の人生は自分だけのもの」との生き方を貫き、誰かに何かを伝える風であり続けた加藤登紀子さん。加藤登紀子さんの「生きる」という意味を強く感じました。


 ご主人の藤本敏夫さんの『農業幸福論』という本も読んでみました。”現状を変えたい”という壮絶な戦いの人生に驚きました。晩年の鴨川自然王国も、有機農業への戦いの歴史だったんですね。変革への戦いに生きた藤本さんと”自分の人生”を生きる姿勢を貫いた加藤登紀子さん。良き同士だったんですね〜。
 ほろ酔いコンサートでは、今も加藤登紀子さんを支え続けている藤本さんの陰を感じずにはいられませんでした。
 
 ちなみに、鴨川自然王国では、棚田トラストとして、300坪の水田を10名の会員でシェアして、一人3万円ずつ、計30万円のファンドを積み立て、必要諸経費を差し引き、最低15万円は日常管理してくれる地元の農家に支払い、収穫したお米は会員に均等割りするなど、ファンドを色々と考えていたようです。もちろん田植え、稲刈り、6、7月の草取りは会員の義務です。
 結構面白い本でしたよ♪